さたけこども発達クリニックでは、日々のお子さんやご家族への支援の実践とともに、その実践を振り返り質の高い臨床を提供することを目的として、臨床研究活動に積極的に取り組んでおります。
神経発達症やそれに伴う情緒・行動面の困を抱える子どもたちの特性は多面的で、画一的なアプローチではとらえきれない面があります。当院では、診察や知能検査やスケール等の評価から得られる知見を客観的、学術的に検証し、学会発表や論文として発信しています。
私たちが研究に取り組む意義は、学術的な面だけではなく、科学的根拠(エビデンス)に基づいたより適切な評価や、ご家庭や社会生活における環境づくりや支援モデルへとつながっていくことを目指しています。子どもたちがそれぞれにおかれた環境でその子らしく、のびのびと過ごしていけるよう、臨床と研究の両方の視点を持って貢献してまいりたいと考えています。
RESEARCH
当院の具体的な取り組み・研究実績
当院では、多角的な視点から子どもたちとその支援者を支えるため、以下のような研究・学術活動を行っています。
- 回避性/制限性食物摂取障害(ARFID)の病態と支援DSM-5で新しく定義された診断である回避/制限性食物摂取症(ARFID)について、外来症例の臨床像を分析しました。感覚の過敏さや嘔吐・嚥下への強い不安体験、自閉スペクトラム症(ASD)との関連を検証し、行動療法的アプローチとともに子どもの特性に配慮した環境調整の重要性について報告しました。(第66回 日本児童青年精神医学会(2025)にて発表)
- 認知機能と行動特性の相関分析(DCD児の多面的評価)発達性協調運動症(DCD)のある児童の行動特性(不器用さや不注意など)の背景にある認知や遂行能力の特徴を、知能検査(WISC-V)や感覚運動指標(JPAN)と行動観察評価(AQ、ADHD-RS)の相関から検討し、環境要因が行動表出に与える影響を分析しました。(第67回日本児童青年精神医学会(2026)発表予定)
- 限局性学習症(LD)の症状と診断後の有用な支援の検証読み書きにあきらかな困難のある児童の示す様々な症状を分析し、学習面以外の支援ニーズについて検証しました。また評価後のアプローチしやすい支援の内容について、児童の特性による違いや支援の実際について検証しました。(第67回日本児童青年精神医学会(2026)発表予定)
- 支援者(福祉専門職)向けプログラムの有効性の検証児童を支援する専門職を対象とした、CARE(子どもと大人の関係性を改善するプログラム)のワークショップにおける介入効果について検証し、有用な評価指標や評価方法、連携の意義について検証しました。(第67回 日本児童青年精神医学会(2026)発表予定)
RESEARCH
個人情報の取り扱い方針(倫理的配慮)
当院で実施するすべての臨床研究は、国の定める「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」および個人情報保護法を厳格に遵守して行われます。
- データの匿名化の徹底研究に使用するデータ(診療記録、心理発達検査のスコア等)をカルテから抽出する際は、原則として氏名やIDなどの個人を特定できる情報はすべて削除し、別の符号を割り振る「匿名化」を行います。
- 目的外利用の禁止収集されたデータは、あらかじめ定められた研究目的以外には一切使用いたしません。
- 学会・論文発表における配慮研究成果は学会や学術雑誌にて公表されますが、提示されるデータはすべて統計的に処理された数値情報やグラフ等であり、個人が特定されるような情報は一切含まれません。
RESEARCH
オプトアウト(情報公開と拒否の機会の保障)
過去の診療記録等のみを使用する「後方視的研究」においては、患者様から直接同意をいただく代わりに、研究の目的や内容をあらかじめ公表し、いつでも参加を拒否できる機会を保障することが指針により認められております。これを「オプトアウト」と呼びます。
現在実施中の研究に関する情報公開文書は、下記のリンクよりご確認ください。
現在進行中の臨床研究一覧およびオプトアウト文書
※ご自身やお子様のデータを研究に利用されたくない場合は、文書に記載されている窓口(あるいは受付)までいつでもお申し出ください。お申し出による診療上の不利益は一切ございません。